あでゆ

ザ・シンプソンズ MOVIEのあでゆのレビュー・感想・評価

ザ・シンプソンズ MOVIE(2007年製作の映画)
3.6
バーガーショップで助けたブタをペットとして飼い始め、愛情を注ぐホーマー。ところが、ホーマーのある行動から、スプリングフィールドは絶体絶命の危機に陥ってしまう。町の人々の怒りを買ったホーマーは、家族とともにアラスカへ逃亡する。

映画ロゴで遊ぶ映画は良作の法則。
とはいえ、最初に政府からの”お達し”があったのは流石に笑ってしまった。
そして冒頭、こんな映画観て金の無駄だなあというメタ的な演出が入る点は個人的にこの映画のピーク。『ファイトクラブ』じゃないけどやっぱり僕はこういう演出にはとても弱い。更にこれがラストの演出への伏線にもなっているという素晴らしい仕様。

10年前とはいえ、よくこのご時世にこんな映画を公開できたものだなあと思う。「コード・ブラック?最悪な色だな」とか人種ネタも盛り込むし、見ているだけでもヒヤヒヤとした。
バランス的にはネタやってるときは話が止まるので、途中は正直飽きたりもしたのだけど、まあこういう映画はこういう映画でありだろう。

アニメーション的な気持ちよさもしっかりとしていて、例えばハンバーガーを食べてるときに口の中から映す描写だったり、悟りを開いたときのちょっとトリップとも取れるような映像だったりと、実写では出来ない気持ちよさを体現しようとしてる点も高評価。

物語的にもちゃんと家族愛に帰結してる点が素晴らしく、問題の発端も、そのための解決も主人公自身の「捨てる」という行動に一貫していて、そのための方法もちゃんと以前のバイクのネタを伏線として回収してるのは素直に上手いなあと思ったりした。
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