しずく

飼育のしずくのレビュー・感想・評価

飼育(1961年製作の映画)
3.8
「丸く治まるということが一番大切なんだぞ」 

捕らえられた黒人兵と村人との関係を描いた、大江健三郎さんの小説を、大島渚監督が映画化。黒人兵が村にやってきたことで、平和だった村が混乱していく様子だけでなく、昔からある村社会の異様な仕組みや、"本家"の絶対的な存在感も描かれていて、閉塞感を感じる映画です。問題が起こるごとに、事なかれ主義の村人たちが発する言葉にゾッとします。この胸に残る大人たちの違和感が、何とも言えないラストでうまく表現されていると思いました。(2021年鑑賞@Prime Video)
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