飼育の作品情報・感想・評価

「飼育」に投稿された感想・評価

てぃだ

てぃだの感想・評価

2.6
芥川賞受賞作の映画化は「苦役列車」「蛇にピアス」以来なのだけど、直木賞はまだしも芥川賞を映画化しちゃいけないなぁと改めて思った。ちゃちな喜劇に見える。というかそもそもムラの方々、何くっちゃべってるのかモゴモゴしてばっかでよく聞こえない。みーんな誰かのせいにしたくてたまらない人間のエゴとか、記号でしかない気がした。最後の埋葬の場面と三國さんの変な髪型おもしろ。
原作は大江の傑作短篇、「飼育」。雨戸をどんどん閉めていったあと、振り回した傘が開いてしまうのがよかった。長回しが力をもっていて、大江の粘着質な文体に近い効果を生んでいる。けどやっぱり原作のが好きだった。
TSUBASA

TSUBASAの感想・評価

3.6
【ぶつけられる憎しみ】76点
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監督:大島渚
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:105分
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名画40パーオフでしたので購入。こういうシンプルなタイトルに不穏なジャケットには妙に惹かれてしまいます。捕虜となった黒人に憎悪を抱かせていくとある村人たちの話。大島渚監督の独立作であるとともに問題作ともいわれている今作は中々の見応えでありました。

昭和20年の夏。アメリカの戦闘機が墜落したものの、何とか生き延びた黒人兵士は村の猟用の罠にかかり、捕虜にされる。最初こそ彼を珍しがっていた村人たちであったが。。

どうしようもない憎しみや悲しみを自分とは異なる存在にぶつけることはよくあることです。かのユダヤ人も歴史的に迫害の対象とされてきましたが、14世紀の黒死病など、事あるごとにユダヤ人が悪魔であるとされ迫害、もしくは処刑されてきました。また、1923年に発生した関東大震災においても、そのどうしようもない感情を在日朝鮮人に向けたという記録が残っているのですから恐ろしい。今作においても、村で度々不幸が発生し、その疫病神こそこの黒人捕虜であるとされるのです。歴史的にこういうことはよく行われてきたため、今更驚くことではないのですが、実際に黒人を題材として村人が豹変していくのを見せつけられるとさぞ生々しいです。かくして黒人の「飼育」が始まるわけですが、物語は思いもよらない方向に進んでいきます。

黒人を言わずもがな蔑ろにしているため、問題作と言われても致し方ない。しかし、これこそが悲しきかな、人間の本性でもあるのです。虚ろな目をしてナタを持ち黒人に襲いかかる少年の方がよっぽど恐ろしかったです。戦時中の村人たちの不安を見事に具現化した作品といえそうです。
otom

otomの感想・評価

4.1
部落的な恐ろしさに背筋も凍る。隠蔽主義で責任転嫁なあれこれは、日本らしいとも言えるし、どこの国でもある気もする。最近ではミヒャエル•ハネケの白いリボンとかこんな嫌な空気が流れていた。村人のなんでもクロンボのせいにしちまえーって云う酷さと若者の明瞭さの比較は現代でもありそうではある。ちょっと作りが雑な気がするが、良作。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2017.10.15 U-NEXT

日本人の土俗的な醜悪さを露骨に増幅させた感じは観ていて中々に辛いものがあるが、カットをほとんど割らないことによる俯瞰性や、雨が降りしきる中で三國連太郎が雨戸を閉めていくシーン、「クロンボ」を殺すかどうかの村民のやりとりを捉えた中盤の長回しには目を見張るものがある。
閉塞的で猥雑な村というコミュニティーに息がつまりそう。まったく美化することのない、戦時中の部落の描き方…!よそ者排除の精神、収拾のつかない議論、泣き喚くおばさん、酒、暴力、剥き出しの性欲。

それにしても大島渚作品の、ヒロインのワンピースの可愛さよ。
臭いものには蓋をしろ 大島渚「飼育」

この時期の大島作品は松竹メロドラマからの脱却を図ろうと試み、かなり前衛的作品を量産していた頃だろうから深夜に観るのは辛いかなあ・・・

まあ、眠くなれば素直に眠ろう。

なんて思いながら観てたら最後まで観てしまいました。10年くらい前の話です。

ある人によれば「村人のだらだらした日常と収拾のつかない議論をシャレたオチもなく舞台中継のように撮した文化人宴会映画」なんだそうです

まあ、そんな表現も当てはまらなくもないんですが観ている自分が面白かったのですからそんな批評は無視ムシです

当時の大島のラディカルな思想が混沌とした政治的状況の比喩としてこの村人たちの出口の見えない混迷に現われてます

こんな状況、今の日本政治にも、世界情勢にも、身近な自分の回りにも感じます

臭いものには蓋をしろ、という言葉を久しぶりに思い出した、不気味な余韻の怪作です

石堂淑朗先生の怪演も凄かったなあ・・・
riekon

riekonの感想・評価

3.0
差別が直接すぎてムカムカするし人の弱みにつけこんだり村の皆でうまい事辻褄を合わせようとするし、あー嫌だ嫌だ!
人の嫌な部分が沢山で疲れました。
高校の時の部活の友達がツタヤで選んでしまった映画である。
みんながスターウォーズやホラーを選ぶ中彼だけは飼育を選んできた。とても変わったやつだった。今何をしているのか。

しかし、借りてはなく、見てもいない
Johnjohn

Johnjohnの感想・評価

4.0
これはすごい。
やっぱりムラ意識はクソだわ、と本当に実感する。巷では田舎への移住がもてはやされているけれど、冷凍都市での生活の方が100倍マシ。
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