湯っ子

夫たち、妻たちの湯っ子のレビュー・感想・評価

夫たち、妻たち(1992年製作の映画)
3.8
ウォッチリストに入れてあったウディ・アレン作品をなんとなく再生。ああ、いつものこの感じ、やっぱり嫌いじゃない。作中にこの間観たばかりの「野いちご」が出てきたので、あっそうか、心のどこかにアレンがベルイマン好きってことが残ってて、この作品にたどり着いたのかなと思う。

お話は、2組のインテリ夫婦の離婚をめぐるドタバタ劇。いつもアレン作品を観ていて思うのだけど、男性たちは軒並み情けなくてバカっぽく、女性たちはみんな個性に富んで魅力的。
ベティ・デイビスは、これぞウディ・アレン作品のミューズって感じ。知的で辛辣、洗練された大人の女性。ジュリエット・ルイスは、若くて世間知らずだけど物怖じしない魔性の女子大生。この2人には、「自分の意見をはっきり言える女性はセクシー」っていうアレンの価値観が表れている。
一方で、ミア・ファロー演じるジュディには、「受け身に見えるけど、結局欲しいものは全部手に入れる」と手厳しい。これってミア本人への評価なのでは?と、どうしても思っちゃう。これがふたりの最後の共演作なんだとか。

私小説的な作品なので、どうしてもアレンの実人生と重ねてあれこれ想像してしまう。
アレンと現在も添い遂げている元養女の女性は、インタビューなんかを読む限り、ルイスのキャラクターに近いのかも。もしくは、アレンが彼女を自分好みの女性に育て上げたのか。それだとまたちょっと受ける印象が変わってくるな。
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