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黒蜥蜴のIdeonのレビュー・感想・評価

黒蜥蜴(1962年製作の映画)
3.5
 国宝級のダイヤ「エジプトの星」を狙う怪盗黒蜥蜴は、持ち主の宝石商の娘を誘拐し、手に入れようとする。娘の警護を依頼された名探偵明智小五郎は、快刀乱麻の推理で黒蜥蜴の正体を暴くが…というお話。
 江戸川乱歩の名作推理小説の映画化だが、脚本に三島由紀夫が一枚噛んでおり、三島の小説そのものの歯の浮くような台詞の連続である。監督は日活出身の井上梅次で、ライティングや絵面は日活無国籍映画風である。黒蜥蜴役は京マチ子で妖艶な魅力が爆発している。明智小五郎役は大木実で、こちらは見栄えはいいが大根で頭脳明晰な名探偵には見えない。井上梅次は後年、テレビドラマで天知茂の明智小五郎ものを連作しており、この作品にも同じ味わいが感じられる。
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