えいこ

12人の優しい日本人のえいこのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
3.9
12人の服装に、バブルの頃を思い出して懐かしくなる。服装や髪型、注文する飲み物にも、12人それぞれのキャラクターが表れている。細部まで徹底したペルソナ設定。
そんな細部にニヤニヤしているうちに、怒涛の会話劇にすっかりはまり込む。

事件の概要は語られないまま、各人の意見の積み重ねでピースを積み上げて理解していくのだが、これがこんなに面白いとは。頭の中で、辻褄が合わなかったり、あれ、そうだっけ、などと思うことも少しばかりあるのだが、話を追っかけていくうちにそんなことはどうでもよくなる。二転三転していく勝ち組み負け組。そこに表れてくる人間の裏表。嘘と本音。後半の展開はぐいぐい引き込まれる。こういう話合いの場って結構ある。抽選で選ばれた自治会とか、初めてのPTAとか…。

トヨエツ、細くて色白くて、うわーって思う。なんとも特徴的なあの声がよいのですよ。
えいこ

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