MIDNIGHT

ストーカーのMIDNIGHTのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
4.8
〜3爺、「ゾーン」を征く〜

……あらすじ
某所。隕石と思しき、正体不明の何かが落ちた。
軍が調査隊を送るも、誰も帰っては来ない。
そこで、こんな噂が立った。
「そこに行けば、願いが叶う」と。
「そこ」は『ゾーン』と呼ばれるようになった。
主人公は『ゾーン』に明るい「案内人」
共に歩むは「作家」と「教授」の二人。
禿げかかった3爺が、各々の想いを胸に、ゾーンを征く………


対話によって収斂される『生』への真理。
それぞれが違う立場、価値観を持っているからこそ、為せる対話。(喧嘩腰だけど笑)
3人の会話を客観視する僕達は、そこから視える真理に触れることが出来るのだ。
様々なテーマが重層的に重なり合い、垣間見える『真理』にもしっかりとした重みがあった。

洗練されたアーティスティックな画も魅力的。所々に小津安二郎リスペクトを感じるショットがあった。
人物や構造物の配置も工夫されていて、画に独特の奥行きが生まれているのも面白い。

…ただ、ちょっと哲学的すぎるな…。
かな〜り寓意的。もっと分かりやすく!疲れちゃうよ…
なのでスコアは4.8。
個人的には、教養臭い映画があまり好きじゃないので。(結局見てるんですけどね笑笑)
もっと安っぽくていいんだよ!みんな楽しめるヤツをさ!
…まぁ、タルコフスキー作品にそれ言っちゃあ畑違いって話なんですがね。アハハハハ…。

……なんか、人生って哀しいものですね。生きる意義って何だろう。希望はいずこに?
そんな事を考えさせさられた。
非常に深い映画。
価値観がアップデートした気分だぜ。

ラストシーン、
あれは救済なのか、さらなる絶望なのか……俺にはまだわからない。
一回じゃ全然たりないな
MIDNIGHT

MIDNIGHT