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海と毒薬のonakapocoのレビュー・感想・評価

海と毒薬(1986年製作の映画)
3.0
非常に重たい映画。
扱っているテーマ自体かなりずっしりとしたものなのだが、演出や脚色によって何倍も重苦しくなっている。

戦時中アメリカ軍捕虜の解剖実験に加わる人たちの話。看護婦や医師など何人かの目線で描かれ、終始鬱な空気だった。
他にも危篤の患者を実験材料として使うことや、医学部長を巡る争いがあったり、主に病院の中で物語が進む。

でもこの映画のテーマは「神なき日本人の罪意識」
無宗教であり、聖書のような統一の倫理や原理を持たない日本人にとって、大衆の流れや周りの人の目が聖書の代わりとなるものなのだろう。これは映画の中でも語られていたが、本当に納得させられた。
この映画の原作の著者である遠藤周作はキリスト教徒で、日本人の集団心理を考えたのがこの作品のモチーフであるらしい。

観終わったあとこの映画についてのレビューや解説を見たのだが、海と毒薬という題名について、しっくりくる説明がない。自分でも考えるほどよくわからなくなる。ちょくちょく映される海の映像の意味をぼくが理解している自信はない。

最後の手術のシーンは目を背けたくなる映像だった。もちろん生々しくグロテスクであるからなのだが、非人道的で恐ろしいく、うまく表現できないが、怖いからでもあった。

この映画を観て遠藤周作に興味がわいた。
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