マイナー美少女映画発掘シリーズ。
少女達のSFをテーマにした「好夏」(すいか)というシリーズの第3弾のようで、調べたところ第1弾はWEBドラマ、第2弾から映画として制作されたらしい(Filmarksにあるのは本作のみ)。
願いの力によって動く「ユグドラシル」の搭乗者に選ばれた天文部の少女達が、陰謀に抗いながら自身の願いに向き合っていく物語。

序盤はAR的なデバイスや軌道エレベーターなどの用語が登場しSF感があるが、基本的にはSFよりもオカルトやスピリチュアル系の要素が強い。
物語的に面白いという感じではないが、所々のアイデアにインパクトはあり、中でも木でできた塊に乗り込んでそのまま宇宙まで突き抜けるエレベーターはなかなか斬新。また、母親との記憶の舞台となる霧のかかった草原や、降り立った守護星の海岸に広がる水平線など、“この世の果て”感のある空間は好み。
後半に登場するCGもクオリティが高いとは言い難いが、巨大なプリズムの塊みたいな“山神様”のビジュアルはチープさがむしろ味になっていて良かったと思う。

物語的に必然性のない水着サービスシーン(しかも序盤とラストで2回登場)、カメラアングルから欲望が透けて見えすぎる制服プールシーン、星の化身ナナ関連の百合要素などで美少女好き連中を喜ばせつつ、最後はそこそこ感動的に締めてくる、少ないであろう予算の中でも意欲を感じさせる作品ではあったと思う。

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