みもねる

楢山節考のみもねるのレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
3.8
昔の農村の様子がよくわかった。狭い閉鎖社会。昔からのしきたりが脈々と口伝えに受け継がれ、伝承されていく。

悪いことをした一家は、村民会議の元、よってたかって一家全員を穴に生き埋めって・・・衝撃だった。
命の重みより、村の存続が優先される。だから、70歳になったら山へ行く。すごい山道を親を負ぶって黙々と歩く。間近に迫る永遠の別れも、「しきたり」に負けてしまう。

「その場所」は衝撃だった。人骨が広がり、カラスが狙う。
また、まだ死にたくない親を谷底に無理矢理突き落とす息子。

まだ計画出産なんて知恵が全くない頃、欲望のままに性行為をし、産んで、そのとき一度選別、病気でもいっぱい死んだんだろう、もらわれたりも。そして成人して、運良く長寿したら、山が待っている。そうして貧しい中均整を保っていたのだろう。仕方のない、生活の知恵。

でも昨日までいて、世話になった人が、いなくなっても誰も悲しまない日常。見てる私の方が号泣、、、

言葉がうちの方(静岡)の方言に近いが、ここは雪は降らないし。あ、山梨ね、と納得。

いろいろ衝撃的な作品だった。
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