ちょこちょこ

楢山節考のちょこちょこのレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
3.8
目を伏せたくなるシーン(実際に伏せたところも)が幾つかあったけど、生に対してぬるくなってしまった現代の私達には見ておかなきゃならないシーンかもしれない。

おりんさんが山に行くと決めたのは、食糧が少なくこの冬を越せるか不安になったのと、万が一家族の誰かが盗みを働いたら、一族諸共生き埋めにされてしまうと雨屋の件を見て危機感を覚えたからだろう。

おりんさんのとにかく家族を想う気持ちと、大好きな母を山へ置いていかなければならない辰平の罪悪感とで、山のシーンは嗚咽してしまった。

ちょっと気になったのは、辰平にはけさ吉という跡継ぎがいるから、後妻は必要だったのかな?
まだ小さい末っ子の面倒を見させるためなのかな。
辰平とけさ吉が同時に嫁連れてくれば家計圧迫するのは当然だし。
けさ吉が嫁連れてくるのが早すぎたってことなんだろうけど。

長男以降に生まれた子達の人生が辛すぎて、容易く性交すなよ!と思ってしまった。

好きな時に好きなことして楽しんで生きて、少々の税金を納めることしか社会の役に立ってない私から見ると、家の為に働き、家の為に売られたり嫁いだり、家の為に死にゆく人生って何なんだろうと考えさせられる。
でも、先祖が繋いでくれたお陰で今があるわけで、それをまた私がぶち壊しているのも申し訳ない気がするので、せめて人に迷惑をかけない程度で死を迎えたいと、ビュービュー冬の嵐吹き荒れる年末にこの作品を見て思った。
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