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楢山節考のbのレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
4.4
人間の厭な部分を描いたショキングなシーンの濁流に飲みこまれ、窒息死しそうになる。
土着信仰、因習、貧困、ムラ社会。人間が「人間性」を失う要素のロイヤルストレートフラッシュ。逆に言うとこの状況さえあれば人間はいつでもここに戻れる。
  
『にっぽん昆虫記』のように本作でも人間を観察する視点で撮られている。よって否定も肯定もしない写実的な描写なので本作から受けとるメッセージは人によって異なると思う。人間の営みが動物のモンタージュに重ね描かれ、まさに動物的に人間を捉えている。それは動物的な弱肉強食さや動物的な欲望が人間の本質であると言わんばかりである。個人的にはせっかく文明を発展させて来たのにわざわざ動物性を賛美する気にはなれないなぁ。

ちょっとこれはキツすぎて当分見返したくないなぁ....。
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