千年女優

フライ,ダディ,フライの千年女優のレビュー・感想・評価

フライ,ダディ,フライ(2005年製作の映画)
3.0
マイホームを構えて帰宅時には妻と娘が迎えに来る理想的な生活を送るサラリーマンの鈴木一。幸せな生活が愛娘が被害者となる暴行事件で崩れ、相手が有力政治家の息子故に法には訴えれない状況に愕然とする彼が、偶然出会った在日朝鮮人の朴舜臣からの指導を受け、プロボクサー志望の犯人に拳で復讐を果たす様を描いたドラマ映画です。

『GO』『SP』らの人気作で知られる金城一紀著作の人気小説シリーズ『ゾンビーズ』を原作とする成島出監督作品で、金城一紀らしいポップな娯楽作ですが、些か絵空事感を禁じ得ない中高生が夢想しそうなお話で、キャッチーさを代償にしてリアリティはほぼなく、堤真一と岡田准一だからこそ画になっている印象は否めない所はあります。

観ていると恥ずかしくなる描写も少なくないですが、それを十分に承知した上で、CHAGE and ASKAの『YAH YAH YAH』を聴いて盛り上がる様な青臭い感情を引き出す力があります。全くの余談ですが、本作の主題歌であるミスチルの『ランニング・ハイ』は、この映画を観るきっかけにもなった、彼らの中でも指折りのお気に入りの楽曲です。
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