ムービーマン

ディック・トレイシーのムービーマンのレビュー・感想・評価

ディック・トレイシー(1990年製作の映画)
5.0
ギャング映画と探偵映画を程よい絶妙なさじ加減で混ぜたような作品。
それは、主人公の格好もその一つだ。
ギャング映画というジャンルは独自の世界観、個性を表現するのが難しいジャンルの1つだと個人的には思っている。
しかし、今作は色使いやアニメを観ているかのような映像表現、これらによら構築された独特な世界観はまるで、テリー・ギリアムや、ジャンピエール・ジュネ、クエンティン・タランティーノの作品群を彷彿とさせるほどの良い意味での個性の強さだ。
それに加えて、1930年代という古き良き時代の古典的な映像表現、演出もあり、その2つのバランスを均等に保てているのも素晴らしい!!
「ゴッドファーザー」でフランシス・F・コッポラは黄色いシネマティックな色使いで観客を魅了した。
今作はそれに匹敵するかそれを上回る個性的な映像表現と仕上げにちょっぴりとユーモアを嗜めて、
大人から子供まで誰もが楽しめる娯楽エンターテインメントとして完成させた主演と監督、制作を兼任した才能溢れる俳優、ウォーレン・ベイティここにあり!!
脚本も王道を行くストーリー展開でありながらも、捻りの効いた終盤の展開で観客をアッと言わせること間違いなし!!
ちなみに顔のない男の覆面姿が「ウォッチメン」に出てくるロールシャッハに似ていた。
とにかく非常に面白く、素晴らしい出来栄えだった。
傑作!!
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