くり

タクシードライバーのくりのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.6
※再鑑賞

やっぱり素晴らしい。

この映画のテーマや意図を汲み取る為には当時の時代背景を理解しておく必要があるが、"ベトナム戦争"を経験していない世代や時代にも響く魅力がこの作品にはあると思う。

それはこの映画が持つ社会への普遍的な批判性。
"このままじゃいけない感"。
現代を生きるストレスや人生におけるトラウマや社会からの抑圧を、ベトナム戦争後の当時のアメリカで生きるトラヴィスに重ねることができる。

誰しもが持つ社会への何らかのネガティブな気持ちを一心に引き受けるトラヴィスというキャラクター。
そんな彼が沸点を越えるまでの過程を描く本作。
ロバートデニーロの渾身の演技も相まって、映画史上最上級の魅力を持つ主人公になっている。

この映画が持つテーマを現代にアップデートした作品の一つである『ジョーカー』が今の時代にヒットするのも頷ける。
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