坂本くろみ

タクシードライバーの坂本くろみのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

初視聴年:2020以前?
人生で一番の傑作を選ぶとしたら、映画以外のエンタメを含めてもこれが第一に来る可能性があると思えるほどに衝撃を受けた一作。良くも悪くも、"男の映画"というものはこういうものだと感じた作品。
作中で語られたイベント自体は全て解決したある意味ハッピーな落ちではあるのに、本編を真っ当に見れば物凄く不気味な、トゥルーエンドとしか形容できないなにかという結末になったのは衝撃だった。

作中で漏らす主人公の不満を発散する手段が間違っているせいで異様さを覚える内容なのに、心情描写や解決法が男の普遍的なもののように思えるし、作中で要所要所に挟まる体を鍛えたり武装するカットがどこか格好良く感じるのが、この作品の気味の悪さを助長させているようにも感じる。

あまりの衝撃に、自分が人生で一番初めにDVDを購入した作品にもなったし、その価値は間違いなくある一作だった。コメンタリーに収録されている出演者、脚本家など制作関係者が語る今作についての解説も中々興味深く、視聴推奨。