Chaki

タクシードライバーのChakiのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.1
ベトナム戦争から帰ってきて何者かになりたいトラヴィス。この思考の背景にはベトナム戦争の退役軍人であるということが大きくありそうです。
ベトナム戦争はアメリカが負けた戦争なので、せっかく英雄になるために頑張ったのに、いわば負け犬として帰ってきたわけです。たくさん努力したのに報われない。さらに不眠症にもなる。そして政治家を恨むようにもなるわけです。
当時のアメリカには当時トラヴィスのような人がたくさんいて、だからタクシードライバーという映画も共感を生んだのでしょう。
最終的には、英雄になれたし、自分の中でトラウマだった女性も乗り越えた、と思いきや最後に鋭い視線のシーンがあります。
穏やかないつもの表情とは違う側面に人の闇の感情はそんな簡単になくならないよ、というメッセージとアメリカの未来を楽観的に見ていない監督のメッセージを感じました。
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