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タクシードライバーのKtkTのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

昔観た時はさっぱり訳が分からなかった記憶がある。
ハードボイルドのような官能美のような何とも言えない音楽が凄い勢いで映画の世界に引き込んでくる。劇中何度かドラックはやらないみたいなことを言ってるがこの映画自体ドラックみたいなもの。何かクセになる。

変わらぬ日常への嫌悪と退屈さ、満たされない気持ちとそれを分かってくれない社会と人々。
噛み合わないやり取りから、沸々と徐々にトラヴィスの中の内なる怒りというか、不満というか、そういった"何か"が垣間見える瞬間を積みかせねていく。

最後のトラヴィスの行動はその"何か"を知らしめるための一種の自己主張的なものなのかな?その辺はよく分からなかったけど、多分そういった正義感というよりは"何か"に取り憑かれたかのような使命感からくる行動だと解釈した。だからずっと腐敗を洗い流す的なことを言ってたのでは?

とりわけ難解で、だからこそ読めない行動のスリルで心拍数上がりまくり。
ラストは一瞬そういう正義的な話かと思わせて、ラストカットでひっくり返す。っていうかロバート・デ・ニーロの目の使い分けがヤバい。あれだけで伝わるのは本当に凄い。

まさに伝説級の映画。2度目にして、ようやく解釈の仮説段階。とりあえずもう一回観なければ。
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