本作の評論には『時代背景がなんたらかんたら』というものが多くあり、Filmarksのレビューでも散見される
自分は当時生きていた訳ではなく断言は出来ないのだが、「タクシードライバー」においてベトナム戦争などの時代背景は殆ど”無関係”に等しい
名作と呼ばれる映画には、ある程度『不変性』があることが多いと思う
「タクシードライバー」においてそれは『孤独な男』だ
いつの時代にも孤独な男はいるし、もはや男は孤独な生き物と言っても過言ではない
映画やアニメなどのカルチャーにも愛を求める孤独な男は存在する
「レオン」や「ドライヴ」
「エヴァンゲリオン」だってそうだろう
そんな孤独な男たちが作った映画が「タクシードライバー」なのだ
それに、公開当時の観客もトラヴィスのような孤独な男ばかりだったらしい
時代背景でこの映画を論じるのはナンセンスだし、むしろ勝手に難しく解釈するような行為だ
わかりやすく、不変的なテーマがあってこそ、この作品は今も多くの人を魅了してやまないのだと思う