もん

タクシードライバーのもんのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

話題の映画「JOKER」がオマージュしているということでプライムビデオにて鑑賞。

ストーリーは全体としてスローに進行して、正直退屈な印象でしたが、最後の最後で「なるほど、こういう事を描きたかったのかな?」と考察できます。

主人公は軍を除隊し、とくに何をするわけでもなく、しかしながら何か鬱屈としたものを抱えていて、それは不眠症のせいか、あるいは自分の置かれた環境か…。

それで何か変えたくてタクシードライバーになるけど、1日12時間×週6-7日働いても不眠症は治らない。

しかし、次期大統領選挙の立候補者事務所で働く超絶美人に出会って、彼女を落とせば何か変わるかも⁈と思い、選挙事務所でボランティアをする、という口実でいきなり口説くということをし、見事デートに漕ぎ着けるけど、なぜかポルノ映画をデートに選んで彼女から嫌われる。

『ひどい女だ!地獄に落ちろ!』って次の日に事務所に怒鳴り込むけど、「いやいや、それはアンタや」ってツッコミたい。
言い過ぎだことを反省したのか、花を贈る作戦などするも、送り返されたり、ついには電話にも出てもらえなくなり、結局人生変わるかもと思ってアタックした美女ともうまくいかない。

だけど、何かを変えたい、何か凄いことをしたいというフラストレーションだけが一方に溜まっていく。

タクシーで走る夜の街の娼婦やら麻薬の売人やらギャングやらがさらにフラストレーションに拍車をかける。

そんな時にある1人の娼婦と出会う。彼女はまだ12歳。「こんな生活ダメだよ。オシャレしてデートして、学校行くのがつとめだよ」って会って2回目にしていきなり説教。
実は前に逃げようとして、主人公のタクシーに乗り込んできたところを元締めの男に無理矢理連れて行かれたので、その時から主人公はなんとかして少女を助けたい衝動に駆られる。

と、ここまでだと情緒不安定な主人公が、自分を変えたくて色々行動する(銃なんかもゲットしたりする)けど結局は何にも変わらないというストーリー展開が続き、果たしてどういう結末になるのやら見てて不安になりました。

しかし、いよいよ一念発起して、どうした訳か、次期大統領候補者でも襲撃してやる!と意気込んで髪型モヒカンにもして、気合い入れていざ出陣するけど、SPに見つかりあえなく退散。

「やっぱダメじゃん、主人公。」と思ってたら夜になって娼婦少女の勤め先をいきなり襲撃。
これまでやろうとして行動しなかった主人公がいよいよドンパチを開始して、門番や受付や客やらを次々に撃っていく。「なんじゃこりゃ」状態でこちらはポカンとしている間に主人公も撃たれて重傷。

このまま死んでおわりなのかな…?一体何の映画だったのか…?といよいよ不安に思ってたら、娼婦少女の親の感謝の手紙の音読で主人公は死んでないことが明らかに。さらに、壁に貼られた“タクシードライバーとギャングがバトル”の見出しの記事で、「そういうことだったの?!」とようやく理解。

エピローグではモヒカンも収まり、元の髪型で復職。

これまであまり喋らなかった仲間とも笑顔で会話し、昔惚れた超絶美女が主人公タクシーに乗って『新聞を見たわ…』と、「なんだか押したらイケるぞ!主人公よ!」とこちらが思ってても、『そうかい?』と軽く爽やかな笑顔でかわす。

降りた後もあれだけ執着してたのに、あっさりとサヨナラして、ここでようやく主人公は吹っ切れたというか、何か全部出し切って一皮剥けたのか…ということが考えられる。

なので、見てる側もよくわからないけど何か鬱屈とした気分にさせて、最後の最後でハァ。。スッキリ、までとはいかないけど、なんか終わりよければ全てまぁいっか!的な感覚にさせられる映画でした。

時間が経つに連れてもう一度見たいような気分にさせてくれますが、その前に時代背景とかも絡めて解説が欲しいです(笑)
もん

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