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タクシードライバーのkensyoのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
2.2
名作と名高い作品だけれど、単独の映画としてはかなりキツかった。

これはイニシエーションの物語なんだと思うけれど、「ここまで醜い自己陶酔と独りよがりの、悲劇のヒーロー的な感受性を肯定しなければいけないのか」と思ってうんざりしてしまった。(時代とか地域性とかあるのかもしれないけど…)

ただ、この映画がどれだけ後年の映画に影響を与えたかっていうのが垣間見得て、ひとつのコンテキストとしてはすごく面白かった。
「アイアンマン2」「JOKER」「ファイトクラブ」「イノセンス」とかの「印象的だけどよくわからないな」って思っていた部分が、この作品を参照してのものだったのか、っていう発見。
本当に多くの映画人に敬意を持たれて愛されている作品なんだね。

といっても、やっぱり単独の作品を観た感想としては、冒頭のサックスからして(僕はその映画の最初のBGMから受ける印象は映画全体の印象と一致すると思っている)どこまでも自己陶酔的で、聞いてるだけでも虫歯になりそうなんだけれど。
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