はるかわ

タクシードライバーのはるかわのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.0
久しぶりにみた。
トラヴィスの孤独と苛立ちとコミュ障っぷりが、他人事には感じられない。世界とうまくかかわれなくて、傷つき、しだいに世界が憎くなっていく感覚。誰か抱きしめてくれないか…

映画の前半、武装前のトラヴィスは世界に対して心を開き、孤独を埋めようとする。明るく話しかけて冗談も言う。しかし、映画館の売り子には蔑まれ、ベッツィには拒絶される。心の内をドライバー仲間に打ち明けても、見当違いの助言が返ってくるだけ。どんどん行き詰まっていく。

銃を買って武装した後半は、名シーンのオンパレード。スリーブガンの自作、鏡の前のシミュレーション、護衛との無闇な会話など、どれも特別なシーンばかり。テレビを傾けすぎて壊しちゃう場面が特に好き。

孤独の末にたどり着いた武装は、最終的に、家出少女を救い出すことに用いられた。自分を頼ってくれる、自分より弱い相手が必要だったといえるかもしれない。結末は何度みても激しい。
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