たかや

やくざ囃子のたかやのレビュー・感想・評価

やくざ囃子(1954年製作の映画)
5.0
この世で一番面白い。
やくざ嫌いの娘とさすらいヤクザのメロドラマ。

傘を投げて表ならまた会う、裏なら諦めるって言ったのに、言ったのに諦められない。

屋根の上で裏返った傘が、家の中と外の境界線を表す。

鶴田浩二に愛情表現を学ぶ岡田茉莉子の可愛さ。
そして、そのまま森を歩く二人が光の方へ向かって行くショットがむちゃくちゃいい。

そうかと思えば、斬り合いが始まれば鶴田浩二が踊るように斬る。
斬り合いながら賭博場をあとにするカットの移動撮影が抜群によい。

また祭りのシーンが抜群に良い。
お面を付けた鶴田浩二が大勢の人の中を移動して、お揃いのお面を付けた岡田茉莉子を探すシーンで『ブラックハット』を思い出した。

ここまでお互いの感情を隠していた二人がお面を付けたことで、周りの目を気にせず顔を寄せるショットが泣ける。
たかや

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