けーはち

水戸黄門漫遊記 人喰い狒々のけーはちのレビュー・感想・評価

3.6
怪猫乱舞に続くB級怪談・水戸黄門漫遊記。「年頃の娘を山の権現神様に捧げよ」と命じられた領民が困り果てて相談する➜御老公が「よしワシが身代わりになろう」と提案、という割とありがちパターンだが、身代わり作戦は失敗、神を奉じるカルト集団によって娘の家族はあえなく惨殺。マジ、今の時代から考えるとこれ水戸黄門でやっちゃアカンヤツだろ……😰という展開でビビる。難病で顔が醜怪になってしまった殿様は病が快癒しない限り許嫁の姫と結ばれることができず、主君を思う従者はつい心の助けになればとカルト宗教を紹介してしまい、彼らは妙薬を作るために領内の女を捧げさせて生き肝を取り出し、年経た巨大な白狒々(ヒヒ)に喰わせているという。もう恋愛に主従関係にカルトにモンスターと、詰め込みすぎで話運びに皆目見当がつかないクレイジーな怪作。登場人物はそれぞれ悲しみを背負っているがゆえに外道に染まるため自業自得で救いはないのもホラーテイスト。

ちなみにアクションシーンの目玉は、なんと狒々(着ぐるみ)と杖で互角に渡り合うどころか懐刀で目をえぐる殊勲をあげた御老公である(対モンスター特効か何かで、助格より強い……?)。