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邪眼:ル・デルニエ・クリのキンキンのレビュー・感想・評価

邪眼:ル・デルニエ・クリ(1997年製作の映画)
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 下品だ。肉、ゴキブリ、臓器、といった汚らしいものを含め、切断を連想する機械といい、脳を悪夢に導くように手を突っ込まれてはぐるぐる掻き乱されるようなウルトラバイオレンスが30分。決してポップではない。フランスというと「花の都」なんて思い浮かべるけども、それを徹底的に批判したセンスが爆発的に押し寄せ、気分によっては頭が痛くなり、暴力性が出てきそうだ。
 語弊のある言い方だけど、「汚れた心を綺麗な水で洗い流すと言うなら、綺麗な心を汚れた水で洗い流す。」と言う感じか。
 各アーティスト達が「下品」とは思わず、「綺麗・美しい」といったイメージと同様に情熱を向けているのを思うと、ジョン・ウォーターズの「I Love ペッカー」が浮かぶ。
 それを供給するのが反体制芸術家集団「ル・デルニエ・クリ」であり、それが詰まったのが本作「邪眼」だ。
 ただ、何度も見ようとは思わない。けど、痛快。

 本作をどこかで見たような気がしたら、ドラムセットをハードとして演奏するミュージシャン、ドラびでおの「ドラびでお 第一集」で使用されていたのを思い出した。こちらは、スローテンポで「邪眼」の映像が流れるので見やすく、反体制の作品を逆イメージで表現しているので、ドラびでおもアナーキーなんだなーと思った。

 ちなみに、本作「邪眼」はYoutubeにあり。
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