あやと

暗殺のオペラのあやとのレビュー・感想・評価

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)
-
なんと言えばいいかわからんけど、とりあえず画が良すぎる
画角も景色も光の加減も全てがミスマッチで、それがこの作品の非現実な側面を炙り出している あきらかに何かおかしい 人も人間性も何もかも 印象派の絵画を観に行ったときの、あのなんとも言えないけど美しい、好きだなあという感覚に似ている

回想と現在の服も人も変わらない歪さ、アンリアルでオーバーな彼らの笑い方、寂れた雰囲気に合わないアトスの若さ(回想も現在も)、広場?に集まる人の微妙な少なさ、来た時と同じ青服の青年(どこから来てどこに帰った?どうやって?)等、観てるこちら側も回想と現実が同じすぎてわからなくなってくるし、ひたすらにどこかおかしいという曖昧な不安が続く 劇場のカメラワークは張りつめた恐怖感、クライマックスを存分に伝えてくれる どこかだだっ広げなストーリーが続くけど、そこでメリハリをつけているな

それよりも最後の駅の女性の言葉と線路
これは何を意味するのか?もう外に出ることはできない、というよりそもそも、、、

まじで具合の良いサスペンス 古いけど鮮烈な印象を与えてくれる作品

なにを信じて、なにを見ればいいのか 自分の視覚までも疑いたくなる
あやと

あやと