はんそく負け

河内山宗俊のはんそく負けのレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
3.8
甘酒屋の看板娘・お浪。その弟・広太郎がお偉方の小柄を盗み、雲隠れしてしまう。彼は度々河内山宗俊という男のもとを訪れていたので、お浪はその男を訪ねるのだが…。

映画のお手本みたいな作品でした。たった80分の中に、軽妙な笑いも泥臭いチャンバラも、絶妙なバランスで収めてしまうのです。素直にスゴいと思いました。ちなみに私は「加藤清正」のくだりが一番好きです。

ストーリーの構成もさることながら、画もとても綺麗でした。悲しみに暮れるお浪と雪のシーン、宗俊に「私の女房」と言われた際のその妻のクロースアップなど、女性を綺麗に切り取るカットが多かったように思います。

非常に古い作品なので、正直聞き取れないセリフもたくさんありました。それでも楽しめたのは、本作が本当に良く出来た映画だからなのだと思います。