たむ

群盗、第七章のたむのレビュー・感想・評価

群盗、第七章(1996年製作の映画)
3.6
オタール・イオセリアーニ監督の全作品上映の映画祭が開催中。
その中でも最も興味を引いた壮大な作品を鑑賞です。
『クラウドアトラス』か、と思うほど、様々な時代の様々な権力や独裁の中での支配。
演じる俳優さんは各時代で正反対なキャラクターを演じていたりします。
権力も暴力の被害者も加害者も入れ替わってしまう人間の構造の恐ろしさ。
しかも恐ろしさを恐ろしいだけで表現しないところが、名匠オタール・イオセリアーニ監督なのでしょう。
陰惨な処刑や拷問器具がブラックユーモアで描かれたり、真面目に観すぎると、外してくるフットワークの軽さ。
深刻なことを深刻なまま描かない。
複雑な構成は衝撃的なシーンをもたらしますが、人間世界を俯瞰した作品ですね。
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