イチロー51

39 刑法第三十九条のイチロー51のレビュー・感想・評価

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
3.6
ある夫婦が殺された事件の容疑者とその精神鑑定に取り組む女性医師、両者の息詰まる駆け引きを通じ、刑法第三十九条の矛盾をスリリングに描く社会派サスペンス。
心神耗弱者の犯罪は刑が軽減され、また心神喪失者の行為は罰せられないと定めている刑法の第三十九条。

鈴木京香、堤真一、岸部一徳、杉浦直樹 、江守徹、國村隼、樹木希林、吉田日出子、山本未來、勝村政信ほか。

俳優陣の素晴らしい好演、怪演は見応えがありました。

前半は退屈な展開でしたが、後半から緊張感のある演出に引き込まれます。

多重人格者がテーマのこの物語は、淡々とした展開を終えて、着地するように見せかけて最後の回想シーンで新しい展開を見せます。
タフな演技力とシナリオに支えられた本作は見応えある秀作だと思います。

「法律の矛盾」や「生善説・性悪説」を考えさせられる 映画として、秀逸な内容でした。

〜余談〜
台詞が聞き取り にくいところが只あります。 これは邦画全体に言えることで、字幕が必要だと思います。

「刑法第三十九条」
「心神喪失者の行為は罰せず、心身耗弱者の行為はその刑を軽減する」

被害者家族には、到底納得出来ない法律。