Shibawithbread

39 刑法第三十九条のShibawithbreadのネタバレレビュー・内容・結末

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

一、心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セス
一、心神耗弱者ノ行為ハ其刑ヲ減刑ス

_
お前にはわかってる
お前の事実は、お前が第一発見者になった妹の死体だ
首を絞められ、陰部から血を垂れ流し、手首を切り落とされた妹
その手首を弄び、自分の部屋で自慰行為に耽っていた少年は
審判で責任を免れ大手を振って世間を歩いてた
大学に入り仕事を持ち、結婚をし
悪夢から逃げられないお前や妹とは違って、明るい人生を築いていた
誰だって矛盾を感じる
誰だって正義を疑いたくなる
お前の事実はそういう矛盾の中でのたうち回ったんだ

ご遺族である皆さんの気持ちはよく、わかります
しかし、彼が病気を治すことで少しずつ罪の意識が芽生えて行けば…
事故だったと思ってどうか前を見つめて生きてください
妹さんもそれを望んでいるはずです
このような事件はすべての人間が被害者のようなものです
どうかわかってあげてください

柴田、お前は芝居が好きなんだ
人殺しなんかせず、演技だけやってりゃよかったんだ
——僕もそう思います

・目が鋭くなる演技がすごい
 人に問いかけてるのによそを向いてる感じがリアル
・蓋がコップになっている水筒が、小さい頃は嫌だったんだが、大きくなると逆にあれを使いたくなるのは何現象なのでしょうか
・ガム出すシーンの躍動感
・六ヶ月

 まあ、殺して強姦して切った手首で自慰してたくらいのやつがたった六ヶ月で治りましたって言われたらそりゃあね。
 罪の意識なんていう誰にも推し量ることのできない曖昧な存在なんて慰めにならない。目の前で惨ったらしく死んでくれ、そんなもんでも足りないのに、第三者が許し、許せと、罪はないと赦しを与えて。

_
被告人 工藤啓輔
この法廷から刑法第三十九条が消えて彼はようやく一人の人間になった。
現在も審理中である。
長い裁判になるだろう。