工藤蘭丸

セーラー服と機関銃の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
3.5
薬師丸ひろ子の主題歌と共に大ヒットした1981年の作品。私は当時23才でもろに世代なんだけど、角川映画は馬鹿にしていて、第1作の『犬神家の一族』以外は全く観なかったので、今回が初見でした。

観てから読むか読んでから観るか、映画が先か原作が先かというのが、当時の角川映画のキャッチコピーで、映画も原作も同時に売ろうとする戦略。『人間の証明』『野性の証明』『戦国自衛隊』『復活の日』などなど、テレビでも散々CMが流されていたものだったけど、私は角川映画の原作も、友達から借りて読んだ『犬神家の一族』以外は読んでないし、CMに踊らされるようなこともありませんでしたね。

まあ、当時の私は読書も結構好きで、常に何らかの文庫本を携帯していて、パチンコをやりながらでも読んでいたものだったけど、なぜか角川文庫はほとんど読まなかったなあ。

故・相米慎二監督も、今でこそある程度有名になっているけど、当時はほとんど無名に近かったこともあって、本作が公開された時はノーマークでした。

女子高生が突然ヤクザの組長に祭り上げられるという、荒唐無稽なコメディには違いないんだろうけど、そのわりにはビターな内容で、結局のところ反ヤクザ映画だったのかな。

そこは時代の良心を感じさせられるところで、当時は本作にも出てきたヤクザ予備軍の暴走族なども多かったし、本物のヤクザが今よりはずっと幅を利かせていた時代。私もこの映画が公開された時は、ちょうどパチプロをやり始めた頃だったけど、パチンコ店の常連客の中にも組員の人が何人かいたし、組員かどうかは知らないけど、小指のない人などもいたものでしたね。

薬師丸ひろ子は、当時は特に好きでも嫌いでもなかったけど、今観るとさすがにかわゆいですよね。あんなブリッジが出来る体の柔らかさにも驚いたし、演技も歌も下手なんだけど、そこがまるで普通の高校生みたいで、逆にリアルさを感じさせられるところだったかも知れません。もしかしたら彼女は、マジで初キッスの相手が渡瀬恒彦だったのかなあと思ってしまいました。