Chico

天国の日々のChicoのレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
5.0
再鑑賞。鑑賞記録

最後に少しネタバレあり。

テレンス・マリックの新作に食指が動かない今日この頃…過去作を見直す。
とても好きな映画なのでどのカットも見逃すまい〜と意気込んで鑑賞。
始めから終わりまで胸が痛い。切ない、刹那い映画です。

登場人物の感情、その交わりの描写は、わずかなセリフとロングショットで撮られた役者の身体の動きに託される。
人物達は揺れる麦の穂や流れる雲と同じように画面の中に紛れ込む。麦畑の中を走るブーツに穂があたる音が聞こえ、乾燥した空気に漂う干し草の匂いをかぐ。全ての生命と自然を、その鼓動と循環を祝福しているかのような映像に酔いしれる。

ビルのまだぬくもりのある身体にうなだれ嗚咽するアビー。言葉の無いロングショットの短いシーン。彼女の最初で最後の愛の言葉。
あのシーンもまた記憶に刻んでおこうと思う。

新作も観てみよう、という気持ちになっている。
Chico

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