すずす

地球の静止する日のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

地球の静止する日(1951年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

フォックス映画製作、ロバート・ワイズ監督お得意のSFモノ。宇宙人との接近遭遇をドキュメント風に描いています。

ワシントンに宇宙船が飛来する。ロボットを連れて降りたった宇宙人クラトゥは、武器利用を拡大させている人間に危機感を覚え、忠告にやって来たのだ。
宇宙人は世界各国の首脳を集めた会議で説明したいと、アメリカの大統領秘書官に依頼するが、その願いは各国から否決されてしまう。
そこで宇宙人はカーペンターという名で、一般家庭に入り込む。子供と一緒にアーリントン墓地やリンカーン記念堂を見学する中、物理学の権威に相談を持ちかける。クラトゥは力を示す為、30分間、動力で動く物を全て停止させてみせます。
宇宙人の居場所を掴んだ軍隊がクラトゥを射殺するも、「ゴート クラトゥ・バラダ・ニクト」という暗号を合図にロボットが宇宙人を蘇生させます。クラトゥは科学者たちを前に、武器を捨てるか破滅させられるか、地球の未来はあなたたちが決めるのだ、と言い残し去っていきます。

派手な見せ物ではない、SFの可能性を拡げた映画として語り継がれる一本。宇宙人の陰影の使い方など撮影は一級品。
宇宙人役、物理学者役、旦那を戦争で失った主婦と息子など、名もなきキャストが素晴らしい。

『散歩する侵略者』 は50年代アメリカ映画好きの黒沢清監督によるは本作へのオマージュだろう。
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