ジュリアン

チャイナタウンのジュリアンのレビュー・感想・評価

チャイナタウン(1974年製作の映画)
5.0
えらくムーディーな映画だった。
内容にはそこまで琴線に触れなかったので雰囲気を楽しむのに集中したが、終盤の怒涛の回収には驚いた。

虚偽の浮気調査は、ダム建設の利権をめぐる殺人事件にたどり着き、そして一家の特異な内情を知る。今だったら家庭内性暴力にフィーチャーされる話だろうに、結構サラッと描かれていた。 

Duneでも贅沢な画や雰囲気を楽しむことさえ出来たら面白かっただろうに、そうはならなかったのでチャイナタウンでは出来たんだと驚き。

そういえば、未亡人役のフェイ・ダナウェイって『俺たちに明日はない』に出てた人?そう考えると、イブリンの救いのなさや問題の是正に向かわない結末はアメリカン・ニューシネマぽい。

なお、こごまで感想を書いた後に監督のロマン・ポランスキーがシャロン・テートの夫で、タランティーノの9作目で主題になった人と知る。本作がロサンゼルスで、主人公が妻を亡くしたと思われることを考えると、チャイナタウン的である様は過去を乗り越える方便でもあるんだなと考えてしまった。