ぺんじん

死霊のえじきのぺんじんのレビュー・感想・評価

死霊のえじき(1985年製作の映画)
4.4
インパクト抜群のオープニングから舞台は地下施設へ。研究のためのゾンビ狩りが定期的に行われていて、今作ではゾンビとの戦いというよりは、閉鎖的な人間社会の様相とそこでの人間の業を描いたドラマが中心となっている。だから前二作と比べるとかなり渋め。
女性の研究者の視点から男性的な社会の問題点を描いていて、やはりロメロは人間の極限状態を通じて人間の本質と人間社会の問題を炙り出そうとする作家だと感じた。
今作はなんと言っても知能の高いゾンビ、バブの存在。バブの心の微かな動き、そして軍人ローズとの戦いには思わず胸が熱くなる!
最後の解放的な終わり方とかメロウなエンディング曲には驚かされるけど、バブの描き方も含めてどこか人間性への微かな希望が感じられる作品。だから『ナイト・オブ〜』の絶望的なエンディングとは対になっていると考えると楽しい。人体ぐちゃぐちゃ描写もパワーアップ!
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