キミシマユウキ

死霊のえじきのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

死霊のえじき(1985年製作の映画)
4.1
歩く死者の数が生存者の数を上回ってしまった世界で、地下施設に隠れて死者たちを研究する人々がいた・・・。

ホラー界の巨匠、ジョージAロメロ監督のゾンビ三部作最終章。

こういうゾンビが見たかったんだよ!!!!!!!(興奮)

ゾンビ研究家(自称)としてゾンビ映画に求めるものはたくさんある。その中でも最近重視している点はゾンビ達に襲われる恐怖やグロテスクなシーン、アクション・・・
ではなく!!
ゾンビに追い詰められ心が疲弊していく人間たちの内面や狂気、生存者同士の懐疑・・・等である!!!
今作ではそこらの描写が上手かったように思える。
前作で少し物足りなかったゾンビのメイクや臓物シーン、そしてゾンビエキストラたちの演技も格段に向上されていて大満足。(しかもウエディングゾンビやアメフトゾンビといった不思議なコスチュームのゾンビも紛れている大サービス)

そしてそしてなによりも魅力的要素はマッドサイエンティストのローガン博士と実験台ゾンビのバブ。
今作でゾンビは学習し、改善でき可能性を提示する博士。ゾンビを科学的に検証していくのは実に興味深く、もっと見ていたい。
そして彼らの関係は単なる実験台と博士ではなく奇妙な友情のようなものが芽生えていたんだと思う。


※ここから軽くネタバレです※


中盤の実験シーンや博士のバブが死を悲しむシーンでは自分もあんな気持ち悪くて臭そうなゾンビを
「か、かわいいなおい・・・//」
と思っていた。最後の敬礼シーンなんて自分はもはやゾンビサイドを応援している始末。

彼らの実験がもっと進んでいればゾンビ科学の未来は明るかったんじゃないか・・・と、思ってしまう私も既に立派なマッドサイエンティストなのかもしれない。

バブはこの映画のもうひとりの主人公といってもいいでしょう(ベタ褒め)


備考:相変わらずこういう映画の黒人は決まっていいやつです。

ゾンビ、ホラー映画好き、ロメロファンはもちろん超必見の作品。