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シー・オブ・ラブのchitchipapaのレビュー・感想・評価

シー・オブ・ラブ(1989年製作の映画)
3.7
アル・パチーノ主演で未見の作品ということでクリップしていたものの、Filmarksでの評価が決して高くないので、「機会があればいつか観よう」程度に考えていました。
それがたまたま、つい先日NHKの映画音楽の番組でこの映画の主題歌が取り上げられていて、オールデイズの名曲『シー・オブ・ラブ』がズバリ映画の題名に使われていることを知りました。そこで即TSUTAYAに走り、DVDを借りてきて観賞したという経緯です。
まず1980年代のNYの雰囲気が懐かしく、現在のように洗練された大都会ではなく猥雑で喧騒な街が刑事物にピッタリです。
孤独な刑事アル・パチーノとコンビを組むジョン・グッドマンの好演もあり、緊迫感のある展開の中に適度な笑いが随所に散りばめられていて、当時としては良く練られた作品であると思います。
またアル・パチーノが心を奪われ引き込まれて行く被疑者の女性役エレン・バーキンも妖艶な色気を放出していますね。彼女の演技力が窺えるのは、赤い皮のジャケットを羽織った夜の女の顔と、高級靴ショプの店員としてスーツを着込んだ昼のセレブな顔の演じ分けの見事さです。
この手の刑事モノは、どんな名優を借りてきても脚本と演出次第でB級映画のレッテルを貼られてしまう例が幾つも思い出されますが、当作品は期待を裏切りませんでした。
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