ハシオ

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?のハシオのレビュー・感想・評価

3.5
1993年にフジテレビで放送された岩井俊二監督のテレビドラマを再構成し、映画として劇場公開した本作。

アニメを鑑賞後、オリジナルはどうなっているんだ!と思って見てみたら、全然出来が良かった笑
尺は50分と短いのに、こっちの方がしっかり映画を見た、という気分になったのは役者の演技や演出が良かったからでしょう。

まず奥菜恵演じる及川なずなの圧倒的美少女感。
そして、そんななずなが気になりつつも、
10歳そこらの年齢ではどうする事もできない男の無力感…。
主人公の典道のキャラ設定も『トトロ』のカンタっぽさが感じられて、ナヨナヨしたアニメ版よりかなり好感を持てましたね。

う〜ん、この作品なかなか言語化し辛いですが、懐かしく痛々しい思い出がギュっと詰まっているような...。
映画の中の出来事が自分がまるで経験した過去のように感じられて、本当に素晴らしいと思いました。

そして(アニメ版では大して面白くなかった)男の子たちによる灯台を目指すスタンドバイミー感溢れる“旅”もめっちゃ良かった。
「ナズナー!三浦春子先生ー!観月ありさー!セーラームーン!」とか、、、叫んじゃうダサさ、でもそれが良い…!!

それを踏まえて、やっぱりこの作品って小学生であることが凄い重要だな~とも感じさせられましたね。
男女とも体つきが変化し、自意識過剰になっていく中学生が主役では、この映画にあるノスタルジーさみたいなものは醸し出せないんじゃないかな。

「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?」に関してのオチの付け方も好きでした。
ハシオ

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