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過去のない男のoden8のレビュー・感想・評価

過去のない男(2002年製作の映画)
3.5
"荷造りを手伝ってくれ。" 過去なし男
"荷物などないわ。"イルマ
"だからだ。ただ座っていよう。"過去なし男

不思議な感覚の作品。言語化が難しいんだけど…。雰囲気はフワフワやんわりしてるのに。描かれている内容自体は、わりとハードといいますか。
人生において大切なのは、細かく具体的な置かれている現状やステータスよりも…"情緒"に対するハートの機微を、いかに繊細に感じながらもおおらかに受け入れられるか。なのかなぁと。

辛く過酷で残酷な現状ばかり目を向けると、心は荒んでいき疲弊していくばかりだけど。そんな現状の中にも、心を潤わせてくれるモノがあるの。それが、人の温もりではないのかな。

"過去のない男"にとって、記憶とは本来は彼のアイデンティティだったはずなのね。人は経験の積み重ねにより、その"人"が形成されていくものだと思うから。だけど、記憶がリセットされたことにより。人が丸裸にされると、そこに残っているのは心でしかない。そこで見えてくる心の機微もまた、その人のアイデンティティなのよね。
その人が事象に対して頭ではなく心でどう感じて、どう行動するのか。そんなものが、繊細な感覚で描かれていた気がするのね。

人の温もり。それは、それぞれの利己的な打算ではななく。誰かと誰かが、一つのことに対して心を共有することなのでしょうか。

ボクは誰でもなくなった
そして ボクはボクになれた
心を目覚めさせてくれるのは
アナタの温もり

ハンニバルたん…めためた可愛いおすなぁ〜ん。

Cast(役者·キャラ) 3.5
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 3.5
Picture(画) 3
Acoustic (音) 4
23-384
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