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28日後...のNobのレビュー・感想・評価

28日後...(2002年製作の映画)
3.5
人影の無い荒れた病院から始まり、数少ない生存者との出会い、そして軍隊の砦らしき場所に辿り着くといった、ロードムービー的な色合いが強いパニックホラー。

この映画の見所は、やはり序盤の誰もいない街のシーンであろう、無人という状況をここまでの迫力で描いた画はあまり観たことがない。寒々しいロンドンの街並み、人がいないことの空疎な恐ろしさ、薄っすらと吸い寄せられるように灯るイルミネーションなど、絶望したり望みを持ったり、尋常でない状況下での人の心を巧みに描写した導入部分である。また、ゾンビ映画では感染者が出てから次々と感染が広がっていくという過程を描くことが多いが、この作品ではそのくだりをあっさりと省略している。作中でも触れられているが、本当に恐ろしく悍ましいのは人間の本質であることを暗に示唆している。

今では同じような設定の感染系映画が数多く出回り、目新しさは全く感じられなかったが、今作が“全力で襲ってくるゾンビ”の恐怖を描いた先駆けと言えるのではないか。
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