claire

泥だらけの純情のclaireのレビュー・感想・評価

泥だらけの純情(1977年製作の映画)
4.5
物凄い傑作ではないか。図式的な展開の快楽は、その悲劇的な結末をもって絶頂へ至らせる。高貴な令嬢である山口百恵が、ヤクザの端くれの目に映った明け方の海を見つめてその愛を告白するとき、男はただ身分の違いを理由にこれまでのことを忘れろとしか言うことができない。乗り越えられない現実が目前に迫ったとき、逃亡という手段が立ち現れる。それはどちらかがどちらかに加担するのではない。お互いが別の何かから追われている。しかし逃げる場所は同じだ。その不幸な2人が遂に手を取り合い始まる逃亡劇は、車に乗り込むまでもなく最も望ましい形で完遂される。
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