ピアノ・レッスンのmasaccoのレビュー・感想・評価

1853年アイルランドからニュージーランド(！)に嫁いだ女性の道ならぬ恋。
ビーチにぽつんと置かれたピアノとその音色に合わせて下着姿で踊る少女の夢のような景色が美しい。
男たちがエイダを求めるとき、最低限の敬意を払い、ちゃんと合意を確認しようとするさまが好ましい。
その反面、募らせた嫉妬があんな暴力として発露するのも恐ろしい。
ハーヴェイ・カイテルの肉体の地に足のついた逞しさよ。
エイダはピアノと引き換えに生まれ変わったのだ。激しくも美しい愛の話だった。