ちびまる

海を飛ぶ夢のちびまるのレビュー・感想・評価

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
3.8
四肢麻痺の状態に陥って28年、ひたすら死を願ってきた男が選択する尊厳死にまつわるストーリー。

生きることは「権利」であって「義務」ではないと尊厳死の正当性を説く人々。難しいんだよなぁ。
ラモンには愛する人たちのために「生きる」という選択肢がない。確かにラモンが生き続けるためには彼の兄が言ったように愛あるゆえの犠牲がつきまとう。決してキレイ事だけじゃ済まされないのだけれど…。

尊厳死について自分がどんな意見を持つのか答えを出すのは難しいのだけれど、尊厳死を選んだ人と、それを手伝った人たちを周囲が批判することだけは出来ないな、と思う。それは彼らだけの問題だから。愛ある当事者たちだけの不可侵の領域なんだと思う。

ラモンを演じたハビエル・バルデム。最後のクレジットを見るまで気づかなかった!!動かない身体の中に囚われてしまった魂のもどかしさみたいなものを感じさせる静の演技に涙を誘われました。
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