映画狂人

祇園の姉妹の映画狂人のレビュー・感想・評価

祇園の姉妹(1936年製作の映画)
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1936年公開の本作は20分弱フィルムが失われており、現在観る事が出来るのは69分版のみのため正当な評価は難しい。
本格的な京言葉に加え古い作品のため録音状態に難あり、聞き取り難い場面がちらほら。
しかしながらしみったれた女の悲哀を描かせたらやはり溝口は巧い。
本作最大の特徴は襖の隙間から覗き見るようなリアリズム溢れる撮影、限られた空間を最大限活かした画面の奥行きが深い見応えを与えている。
この時代に生きる芸妓の辛さや苦しみが集約された山田五十鈴の最後の叫びが何とも物悲しい。
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