konoesakuta

Uターンのkonoesakutaのレビュー・感想・評価

Uターン(1997年製作の映画)
3.1
そうそうたる顔ぶれの集まった、巻き込まれ型のサスペンス。シナリオがいい。

ショーンペン演じる主人公のついてなさというか、砂漠の町の人間の勝手さというか、納得のできるレベルでのめちゃくちゃさは素直に面白い。

 この映画で語られる「愛」の薄っぺらいこと薄っぺらいこと。誰かが誰かに愛してると言っても本心かどうか全然わからない。これがまたいい。いつどこでだれが裏切るのか全くわからない。というかこの町の人間すべてがとっくにショーンペンの期待を裏切りまくっているのだが。

 監督オリヴァーストーンの1番描きたかったのはどの部分なのかなと。あのとんでもなく充実したキャストをみれば、案外サスペンス要素よりも異空間と化した街の、主人公が翻弄させる住人達を描きたかったのではと推測。どんでん返しよりも、ビリーボブソーントン演ずるダレルあたりを大切にしているようにもみえた。

 登場人物がみんな有名俳優というのは、こちらも映画の先の予想がつきにくくてなかなかいい。こんな脇役にこの人が的な贅沢さ(リブタイラーの使い捨てとか、あれはカメオ出演ではないと思う)はあまり味わったことなかった。良作。