よどるふ

絶対恐怖 Booth ブースのよどるふのレビュー・感想・評価

絶対恐怖 Booth ブース(2005年製作の映画)
3.8
上手いのは「ブースの内と外にいるスタッフとやり取りをしながら、テーマに沿ってメールを送ってきたリスナーと電話を繋ぎ、リスナーの話を受けながら自分の体験談を語るラジオパーソナリティ」という限定的な人物の身に起こる“恐怖”が描けているところ。

ニュース読みに駆り出された研修生の怒られた後の冷めた態度に親近感を抱く。また、この作品におけるラジオ描写のリアリティについては、『別冊アフター6ジャンクション』(第67回)(https://open.spotify.com/episode/6NXAJWFJCrgNK7RWIye37J?si=93NGcIeZR5ysWnxvdSxu1w&dl_branch=1)で語り尽くされているので、そちらを聴くことをおすすめしたい。

ブースの外側にいるスタッフたちの一挙手一投足になぜか不安になる。ガラス越しで音が伝わらないぶん、変な方向に想像が働きやすくなっていて、とある人物がタバコを吸っているだけでも異様な感じに見えるのが凄い。“主人公にオーダーメイドされた恐怖”が描けている。
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