似太郎

潜水服は蝶の夢を見るの似太郎のレビュー・感想・評価

潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)
4.2
ジュリアン・シュナーベル監督と言えば本業はマルチ・アーティストであり過去に『バスキア』や『夜になるまえに』などの内省的なアート作品を手掛けていた。

近年ではウィレム・デフォー主演で『ゴッホ/永遠の門』などを撮り、アーティスティックな題材がやたらと多い監督で知られる。そんなシュナーベル監督の脳梗塞で身体の自由を奪われたジャーナリスト、ジャン=ドミニク・ボービーの自伝的生涯を綴ったシリアスなヒューマン・ドラマである。

題材が若干アレハンドロ・アメナーバルの『海を飛ぶ夢』と被るのだが、名手ヤヌス・カミンスキーによる主観カメラの導入やドキュメンタリー的手法など実験的な映像スタイルが特徴でもある。当初、この全身麻痺の主人公ボービーをジョニー・デップが演じる予定だったというから驚きだ。配給はスピルバーグ率いるドリームワークス。

主演のマチュー・アマリックの演技が堂に入っている為、退屈せずに観れる【リア充男の独白】といった所でこの辺りも『海を飛ぶ夢』と似通っているのでは?と思う。映画というよりも現代アート方面でウケそうな作品だと感じる。
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