潜水服は蝶の夢を見るの作品情報・感想・評価

「潜水服は蝶の夢を見る」に投稿された感想・評価

まるで標本だ_。

ELLEの編集長であったジャン=ドミニクが、ある日突然脳卒中に。しかも重度で、“ロックインシンドローム”という全身麻痺状態になってしまう。手足どころか指一本動かせない彼に唯一できることは、瞼を動かすこと。しかし想像することは全く無限大。で、瞬きを通訳してもらい、文字におこす筆記役を得て、本を書くことにする。

健常だった頃のジャン=ドミニクはヴァイタリティあふれる自由人。特に女性関係は奔放。病後の彼を支えたのも、そんな生来の人間性。その人間性さえ失わずに保てれば、人は人として生きられる。自由に身体を動かすことも、口を聞くことができなくなっても。

いわゆる難病モノの、お涙頂戴的な感動映画ではないのがまず好いね。

※あんな状態になっても、視線が常に女性に向けられているのが、さすがフランス男子。
・難病ものは苦手なんだよな〜と思ってたら良かった(レナードの朝以来)
食わず嫌いよくない(戒め)
感動もので感動する/しないを分けるのはなんなんだろうか
なかなかに状況が初手から詰んでるものの主人公の毒っ気のある語り口なのか音楽が優しいからかあまり悲壮感はなくただ切ない

・潜水服と蝶がキーワードになる中で劇中でその2つが出てくる時の言葉のチョイスや映像が美しい
特に医学療法士が蝶について主人公にコメントする時のセリフが個人的にとても良かった
見てる限り、病気になる前の主人公は好きになれそうになかったけどこんなこと言われる人生なら失敗の一つや二つあってもいいじゃないかと思ってしまう

・今回の閉じ込め症候群やメッセージを観たりしていると自分が「共通の言語を持たない/持てない生き物が何かを伝えようとする」シチュエーションに弱いと感じた
皮肉な話だけれど共通の言語があって通じ合えてしまう(と思ってしまう)からこそ発生してしまう齟齬は多い
言葉が通じない→どうしよう→なんとかして伝えなきゃで生まれる相手に伝えようとする努力が必要だと感じさせる映画
本作主演のマチュー・アマルリックと話す機会があったので鑑賞。

「口がきけない」ということは発音ができないということで、心や頭からのダイレクトを発信するしかないからどうしても詩的になってしまうのかな。

淀んだ水中の中の潜水服の描写がとにかく好きだし、瞬きだけで自伝を書きあげたという事実に人間の底知れなさを感じる。
tulpen

tulpenの感想・評価

4.3
Tom Waitsの「All the world is green」
この曲は父の日にジャン=ドミニクと3人の子どもたちとその母親が海辺で過ごすシーンで流れる。
この映画の中で1番美しいシーンといがらっぽいトムの声が妙にマッチしてグッド。

マチュー・アマルリックの演じるジャン=ドミニクの役はジョニー・デップが演じる予定だったそうだけど、
ジョニーが海賊関係で忙しかったからダメだったのが幸いしたね。

それにしても、
いろんな種類の美人が出てきてかなり楽しめました。
エマニュエル・セニエの下品紙一重の魅力は健在だし、
マリ=ジョゼ・クローズにはずっと覗きこんでいて欲しいくらいだ。


静岡シネギャラリーにて。
2008.3/30 (17) 通算1072
自分が20代の頃に一度、その10年後また観た。
30代になると、映画中の日常のシーン(主人公は市井の人ではないけど)がとてつもなく愛おしくなる感覚を得た。(自分を)投影した。
病気は悲しい出来事だけど、それ以外の要素はなんだか美しくてハッピーな要素の印象。
それとなんと言っても映像美。大変な労力のはず。
監督: ジュリアン・シュナーベル、脚本: ロナルド・ハーウッド、撮影: ヤヌス・カミンスキー、出演: マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、他による、フランスの雑誌編集者ジャン=ドミニック・ボービーの回顧録を原作とした作品。

スピルバーグと長年コンビを組んできたヤヌス・カミンスキーによるジャン=ドミニクの左目からの視点という、彼の状況を切実に伝える映像、精一杯開いた左目で必死に気持ちを伝えるマチュー・アマルリックの演技が素晴らしかったです。
これはなかなかの作品ぞ!!

1995年12月。ファッション誌ELLEフランスの編集長であるジャン=ドミニック・ボービー(マチュー・アマルリック)は、脳梗塞に倒れる。20日に渡る昏睡状態から目覚めると、意識と記憶は正常だが全身は麻痺状態で、辛うじて動かせるのは左目のみだった—— 。

閉じ込め症候群"Locked-in syndrome"と呼ばれる意識障害。

垂直方向の眼球運動とまばたきを除く、体内のほぼ全ての随意筋が完全に麻痺し、意識はあるものの、口頭でのコミュニケーションができない状態。

…これは、、、辛い。

ジャン=ドーの視点で映し出すカメラワーク。身体が動かない事に焦り、苛立ち、絶望し、ただ脳内に響く独り言。

乾燥を防ぐ為に、開いたままの右瞼を縫い付ける時の映像がリアル。糸と針が実際に目の前にあるかのよう。

「ジョニーは戦場へ行った」を彷彿とさせる、意識はあるのに、自分を取り巻く人間に意思表示が出来ない状態。

もう1回言うけど、、、辛い。

でもネ。
彼を担当する言語療法士と理学療法士が美人さん。

言語療法士の女性は、アルファベットを読み上げ、彼が唯一動かせる左瞼のまばたきだけで意思疎通を図る訓練を始める。

孤独の果てに取り残された男は思った。

左目以外に麻痺していないのは、
想像力と記憶。

本を書き上げようと。

彼のまばたきから文字を拾い上げ、本を書き上げる助手も美女。

20万回のまばたきによって綴られた回顧録。まばたきをする者も、それを書き留める者も、凄い。

その本が出版された後の出来事には、思わず言葉を絶した。

実話である事の重みに押し潰されそう。

左目以外動かないという、究極の演技を魅せてくれたマチュー・アマルリックに賛辞を送りたい。

*僕はU-NEXTで鑑賞しましたが、現在は配信されておりません。悪しからずご了承下さい。
ある日突然全身麻痺を患った40代の男性の話だけど、ずっしり重くなく、皮肉やユーモアや、画面の美しさで楽しむことができた。(もちろん考えさせられる場面やセリフもあるけれど見やすいという意味)
Twitterで見かけてから、タイトルがすごく気になっていてやっとこさで鑑賞した。
体が思うように動かなかったり、声が届かなかったりするのを潜水服に例えているのがなんとなくいいなと思った。
死にたい、という考えから、私にはまだ想像力と記憶がある、という考えにシフトできる強さに頭を殴られたような衝撃を受けたし、すごくかっこいいと思った。
主人公ジョンドミニクの想像の中での食事シーンで、2人とも食べ方が汚いところにうげえって思ったけど、性行為の暗示だったと分かって妙に納得した。
あと、ジョウドゥーが紡いだ文字を読みたいと思った。

私が1番好きなシーンは、フットボールの試合を見ているところに経口剤?を入れられて、看護師さんにおい邪魔だ早くどけって悪態吐きながら観戦してたら、看護師さんが出て行く間際にテレビ切っていっておい!!!!!ってなるところです。
yuukite

yuukiteの感想・評価

3.8
以前DVDで。007での悪役なども有名だがマチューアマルリックといえば本作。実話ベースの映画化。元ELLE誌の編集長ジャンに振り返る突然の不幸。彼の視線で見る独特の映像が印象的。忘れられない1本。
sasa

sasaの感想・評価

4.0
突然の発作により、左のまぶたしか動かせなくなった主人公の心象風景を綴った、実話に基づく物語。まばたきしかできず、誰かと話すことも愛する人に触れることもできない絶望と苦痛が、ささやかなユーモアや、時折挿入される回想・夢想シーンの美しさによって和らげられ、主人公の強さに心を打たれる。
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