お涙頂戴にしようと思えばいくらでもできるテーマで、できる限りリアリティをもってモデルになった方の人生を追体験できるようにしてるんだろうなーと思った。
淡々とすすむ映画とぼやけた映像から、個々のエピソードを取り上げなくても漠然とした不便さや歯がゆさを常に感じる。
面白かったのが、一命を取り留めた人が突然命の尊さに目覚めていい人になるなんてことはなく、「世話してもらってんのにそんなのある？」みたいな行動をしてみたりするところ。そうだよな、人ってどんな姿になってもどんな病に罹患しても、その人なりの欲望も喜びもあるよね、と思う。
明るいテーマではないですが、静かで美しい映画なので、何となく観る、というのでもいい気がする。
