半兵衛

日本暴力列島 京阪神殺しの軍団の半兵衛のレビュー・感想・評価

3.0
実録映画にしてはロマンがありすぎてそこはやはり任侠映画育ちの山下耕作監督ゆえの違和感があるが、それでも在日ヤクザたちの悲哀を切々と謳った演出は嫌いになれない。でも日本映画で当時在日を取り上げようとするとここまでしか描ききれない限界点みたいなのも感じられてしまうのも事実。

梅宮辰夫の死に様と、無慈悲なナレーションで締め括られるラストは◎。

ちなみに劇中では主人公たちは山口組をモデルにした組織に暴力の尖兵として使用されて勢力が増すと見捨てられたという流れになっているが、実際は組の勢力拡大を危険視した警察が在日ヤクザを彼らの弱みにつけこみ脅し、ヤクザから強制的に引退させたという噂が。そう考えると暴力団より国家のほうがえげつないのかも。
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